瀬川です。
階級制のキックボクシングでは減量があります。
選手によりますが、5~10kgを計量日(試合の前日)に落とします。自分も10kgくらい落として試合にのぞんでいます。
今回は減量の最後に行う水抜きについて書きます
不幸な事件や計量失敗が相次いでいますが、無理な水抜きと無計画な減量が失敗の原因です。
この記事を読んで誰かの役に立てればと思います。
塩抜き
計量の1週間前から、水抜きをしやすくするために塩抜きといって身体中の塩分を抜く作業をします。
食事は調味料や塩を使わず、飲み物も水のみになります。
塩分が身体に入ると、人間は水分をため込もうとします。
しょっぱいものを摂りすぎると翌日顔や手足が浮腫むのはこの原理からです。
塩分を抜くことで体重の減少と水抜きがやりやすくなります。
塩抜き期間中は倦怠感が、かなりあります(笑)
(2022年10月での記録になります)
左が体重、右が摂取したカロリーです。金曜日のはジムワークで落とした体重の変化です。
契約体重は57.15kgなので、計量日には朝起きてから計量時間(14時)までに1.7kg落としたことになります。
ウォーターローディング
試合の6日前、計量の5日前から毎日 水を6.5ℓ飲みます。
目的は水抜きの時に、水分をため込んだ身体をつくるためです。こうすることで水抜きの時に、さらに水が抜けやすくなります。
水を飲みすぎて夜中や日中にトイレに何回もいきます(笑)
ファイトウィークはいつも寝不足です。
カロリー計算をしながら、体脂肪を削り、塩抜き→ウォーターローディングすることで水抜きができる身体になります。
SNSやYouTubeを通して、水抜きが選手の中で流行っていますが、正しい準備をして正しいやり方をしないと失敗します。
水抜き
そして計量の前日(計量20時間前)から水抜きスタートです。夜にサウナスーツを着てジムワーク、当日の朝に半身浴で落とします。
今回は合計3.6kgを水分で落としました。
水抜きは死ぬほどつらいし、空腹感を越えて頭の中は水でいっぱいになります。
当日の朝にやる水抜きは今までサウナを使っていましたが、サウナで倒れてしまうと仮に体重が落ちていたとしても救急車で搬送されてしまったり、周りに迷惑を掛けるので家のお風呂でやる半身浴で落としています。
最後の半身浴では,湯船に浸かると皮膚が痛くなってしまい、洋服を着ながら落としました。
ジムワークではすんなり体重が落ちたのですが、半身浴でなかなか落ちなかったです。
浴槽の中にいるのが苦痛で何回も心が折れそうになりました笑
そして計量クリア。予備計量で200gアンダーだったので120gのオロナミンCを飲みましたが、何よりも美味しかったです(笑)
過去には1日で5Kg水抜きしたことがあります。
死にそうになりました(笑)
過酷でカッコイイことをやっているように聞こえますが、人によってベストな水抜き量があります。
やりすぎると試合のコンディションが悪くなったり、計量オーバーする可能性があるので日頃からの計画的な減量が必要です。
極度の水抜きは、さいあく死亡してしまいます(亡くなった事例もあります)
ちなみに計量後はたくさん飲み食いをして試合当日(計量翌日)は7kg増えていました(笑)
「命を懸ける」という言葉はあまり好きではないですが、水抜きの失敗で毎年1人は亡くなっています。
なぜ格闘家は水抜きをするのか
階級制の格闘技で対格差は、かなり競技に影響します。
絶対評価で考えて弱かったとしても、相対的に(相手と比べて)勝っていれば良いのが格闘技です。
まとめ
あしたのジョー、はじめの一歩の世界のように何日も長い期間かけて水を制限することはありません。
むしろ代謝をよくするために沢山水を飲みます。
減量・水抜きは心身ともにストレスが溜まるし、きついですが全て試合に勝つためにやります。
私の場合は試合が続いている時は6週間、試合間隔が空く場合は最低でも2ヶ月は減量期間を設けて計画的に行っています。
水抜きにフォーカスされがちですが、毎回試行しながら水抜き前の減量をしています。
試合を観にきてくださった方や応援してくれている方は「こういうことを乗り越えて試合をしているんだ」と思ってくれたら嬉しいです(≧▽≦)
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