時々、救急介護で電車が遅れるアナウンスを聞くことがあります。急いでいる時などは、正直イラッとしてしまいます。でも、もう二度とそんな気持ちにはなりません•••••なぜなら
一昨日、新横浜本社を定時で退社、通勤で利用しているJR京浜東北線に乗車、帰途につきました。時刻は18時30分を少し過ぎたところで、帰宅途中の乗客で少し混み合っていました。電車は鶴見駅に入線、あと少しでホームに停車する間際のことでした。
私から2mほど先の車内で、「ドサッ」と言ったらいいのか「ドタッ」と言ったらいいのか、あまり耳にしたことのない妙な、大きな音がしました。音の方向には立っている乗客が結構いたので私の所からは状況がよく見えませんでした。
でもその音の周辺にいた乗客たちが下を見ていたので、何かが落ちたらしいことは感じていたのですが、私の目の前で座っていた、登山帰り風の格好の女性がスッと立ち上がり、音の方に歩いて行ったんです。いえ、駆け寄って行ったんです。音がした周囲を取り囲む様にしていた乗客が動いて、隙間ができると女性が倒れているのが見えました。
「あ•••、人が倒れた音なんだ•••」
駆け寄った女性は倒れた人の容体を確認し始めました。同時に他の2名の乗客もかがみ込んで首の動脈に指を当てたり、肩を軽く叩いて呼びかけたりし始めました。
私も含め周りの乗客はなす術もなく立ちすくむだけ。倒れている女性の顔色は真っ青で、とても生きている人の顔色には見えません・・・
いつの間にか電車はホームに停車し、ドアが開きました。
車内では「非常ボタン!非常ボタンを押して!」と叫ぶ声が響き渡ります。
数名の乗客が電車を降りて左右に走り出します。
私はとにかく電車を降りて、駅員さんに場所を知らせようと手を高く上げました。
私以外にも男性が手をあげて「駅員さーん!!!」と驚くような大声を出しています。
すぐに駅員さんも数名駆け寄ってきて車内に入ります。ホームではアナウンスが響き渡ります。
駅 員「(同僚に)救急車!それと担架持って来て!!」
男性乗客「意識混濁状態、呼吸あり、反応も少しあります」
その言葉を駅員さんが無線で繰り返しどこかに伝えています。
AED(自動体外式除細動器)を持った駅員さんも来ます(幸い使われませんでした)
やがて担架が運び込まれ、女性は車外に運ばれていきました。
すぐに電車は動き出します。
救護にあたっていた女性の姿は見当たりません。
容態を伝えていた男性は、何事もなかったかのように席にそっと座りました。
でもピンと張り詰めた空気感がなかなか消えなかったように思います。
この間、15分ほどだったでしょうか。
救護で電車が遅れるとはこういう状況なんです。もちろん大したことのない場合もあるでしょう。でももう絶対にイライラなんかできません。
怖い思いと同時に、緊急事態に見知らぬ人たちが連携して救護しようとする様子に感動もしました。
貴重な経験、そして倒れた女性のことはニュースに出なかったようなので、きっと無事だったんだと思います。
貴重な経験、そして倒れた女性のことはニュースに出なかったようなので、きっと無事だったんだと思います。