第二次世界大戦の実話
これは本当あった話なんです。
第二次大戦中のヨーロッパ戦線で、アメリカ軍はドイツ軍の機銃掃射による対空砲火からどのようにして自軍の爆撃機を守るか、という課題に迫られていました。
そういえば子供の頃のアメリカの1964年のテレビドラマで「頭上の敵機」というシリーズがありました。僕が5歳くらいの頃のドラマで、もう大好きだった記憶があります。えーと・・・・60年前の話・・・です。自分の年、実感しますね・・・
下記の下手な絵(笑)は、戦場から何とか帰還した爆撃機の弾痕分布〜被弾した箇所をまとめたものです。分析の結果は以下の通りとなりました。
機体部分 : 1平方フィートあたりの被弾数
エンジン : 11・1
胴 体 : 1.73
燃料系統 : 1.58
その他 : 1.8
さて、分析したことで、どこを補強すべきかが分かりました。問題は装甲を厚くすると航続距離が落ちるという点です。トレードオフですね。トレードオフとは「両立できない関係性」を意味します。一方を優先するともう一方が成り立たない、そんな意味です。
軍は問題解決のため、統計学研究グループの鬼才といわれた、ある天才学者に依頼します。
ブログでかなり時間を取られる作業
ちょっと話がそれますけど、ブログで意外に時間を食うのが著作権絡みの写真や絵を避けて使うことなんです。双発の爆撃機のイラストを探すのに2時間!!!
最後は諦めて、本の図解を模倣して描いた次第です。これも一発で描けたのではなく、何回も何回もトライ、涙の結晶です(笑)
・さらに描いた絵をiPhoneで撮影してパソコンに取り込んで
・パワポに貼って
・弾痕分布は、赤丸を地道にぽちぽち
最初はお金を払ってイラストを買おうとまで思ったんですが、飛行機一枚の絵に数千円から万円単位!!セットなんですね。爆撃機を書くのに自爆する訳にはいきません。
補強はどのようにすべきか? 予想をはるかに超えた回答!!
答え「弾痕の無い部分の装甲を厚くする」
分析のベースとなった損傷パターンは、生還できた爆撃機の弾痕パターンです。ここに被弾した爆撃機は生還した訳で、逆に言えば図以外の箇所に被弾した爆撃機は生還できなかった!従ってそこを補強すればいい、というのが回答だったんです。
①まんべんなく被弾したと仮定した場合の弾痕パターン
②実際に生還した爆撃機の被弾パターン
③生還できなかった爆撃機の弾痕パターン=補強箇所
「損傷を受けた部分=見えている部分」にスポットを当てている限り、解決策は出てこなかったというわけですね。このように、見えるデータ(情報)にばかり目を向け、実態を見落とすことを生存者バイアス(バイアス=偏り)というのだそうです。
これは仕事でも言えそうです。
製品パンフレットと「生存者バイアス」
例えばパンフレット。自社の製品のことをお客様に理解していただくための重要なツールですよね。なので各社ともここには力を入れます。
どこもできる限り自社製品を
・見やすく
・分かりやすく、
・魅力的に思って頂ける
内容に仕上げます。
でもそれはパンフレットとしての「見えている」部分の話で、競合他社も同じ方向で制作するのですから、お客様からするとどの企業のパンフレットも見やすく、分かりやすく、魅力的に思って頂けるようできているのですから、結局どの会社の製品も同じに様に見えることにしかなりません。
もう一つありがちなのは、お客様にとっては価値ある情報なのに当の我々自身があまりにも当たり前のことなので、その価値に気づいておらず、結果、お客様にプレゼンできていない場合です。
いずれにしても、「見えている」情報ばかりに気を取られ、そこにどれほど時間とお金をかけても、何の差別化にもならないという訳です。
さて、頭の体操1はいかがでしたか?もう一つ、とっておきのネタがあります〜うふふふふ🎵 第二弾、楽しみにして下さいね!
出典「すごい統計学」本丸 諒著